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コンテナの容積と比重の関係

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比重

油は水に浮く.油と水を同じ容器に注ぐと,明確に油が上に溜まり,層を作る.学校の実験でもよく見る話である.
あるいは,ラーメンを想像してほしい.ラーメンスープには油が浮いている.何かの拍子に沈んでも,やっぱりすぐに浮いてくる.
これらは至極当たり前のことであるが,これはどういうことなのか,考えてみてほしい.
つまり,油は水より軽いのである.もっと専門的に言えば,比重が小さいということになる.
軽いというのは,当然重さの話である.上の実験に使うくらいの水と油なら誤差の範囲であろうが,これが数klになると話は違ってくる.

容積

タンクコンテナにはさまざまな容積のものが存在する.ここでまた考えてほしい.どうせコンテナの大きさは20ftで,運賃も変わらないなら,タンクの大きさは大きいほうが良いのでは?と思わないだろうか.日常には大きければ大きいほうが良いものはたくさんある.どうせ維持費が同じなら,小さい車より大きい車のほうがいい.スーパーの惣菜だって,同じ値段ならなら量の多いほうがいい.大は小を兼ねるというくらいであるから,たくさん入るに越したことはない.

しかし,コンテナには最大積載量が定められており,どんなに積めたとしても,重量オーバーではトラックも鉄道も運べない.つまり比重が小さければ大きいコンテナも使えるが,比重が大きければ小さいコンテナを使うしかないのである.結果として多種多様な容積のコンテナが誕生し,荷主の多種多様なニーズを支えている.

余談:日本国内での最大重量

20ftISOコンテナの最大総重量は30480kgである.
日本においては,かつては規制が厳しかったが,幾度の規制緩和を経て,現在では2軸トレーラーで道路輸送できるのが24000kgまで,3軸トレーラーで道路輸送できるのが30480kgまでとなっている.
その他,鉄道ではコキ200系式を用いれば30480kgを1個積載可能であるが,運賃が嵩むため,24000kgのコンテナを2基つんだほうが単位あたりの運賃は低くなる.
ただし,コキ200形式以外での輸送や,トップリフタやトラックの能力の問題もあるため,総重量20320kg程度での輸送も多い.また,荷主のロットの問題や,保温の問題もあるので,一概に容量が小さいから,比重の大きい貨物だとは言い切れないことも事実である.